ジュリエットじゃ終わんない
奪う


「お願いしますっ!!」


夕方、さっそく野上家訪問。

来週から文化祭準備が始まるし、
今週中に聞き出したかった。



「もう来ないでって言ったのに…

あのね深紅ちゃん、
意地悪してる訳じゃないの!

ハッキリ言わせてもらうけど、
聞いた所で何の解決にもならないの!

むしろ…
ただ傷付くだけかもしれないわよ?」




傷付く!?

あたしが…?



ー深紅ちゃんの所為、だったらどうする?ー



「やっぱ…
あたしのせーなんですか?」


「…

それは冗談って言ったハズよ?」


「だったら教えて下さい!
傷付いてもいーですっ!

せめてっ、
柊也が寂しい目になった理由だけは、絶対知りたいです!!」



願うよーに、逃さないよーに…
精いっぱいの気持ちを、瞳でぶつけた。




柊也ママは、じっとあたしを見つめて…

困った顔でため息を零した。



「…中に、入りなさい」



「じゃあ!…」

話してくれるんですか!?


期待を込めた視線に、
困惑の頷きが返ってきた。
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