ジュリエットじゃ終わんない
「お茶しかないけど、いい?」
「あっ、はい!ぜんぜん…
てか、すいません…」
秋の肌寒い夕方には嬉しい、あったかいお茶をそっとテーブルに差し出して…
ゆっくりとひと呼吸する柊也ママ。
「あの子の寂しい目…
それはね、父親に切り捨てられたからよ」
さっそく告げられた真相に、
胸がドクン。と、衝撃を打つ…
「知っての通り、離婚したのはもう随分前だけど…
だからって、あの子にとって父親である事には変わらない。
月に2回は会わせてたんだけど…」
「…はい、
柊也はいつもそれ、楽しみにしてました」
あたしの言葉に、優しい頷きが返ってくる。
「だけど中学に上がる頃、あの人(元夫)が再婚してね…
新しい家族を大事にしたいからって、あの子に絶縁宣言したのよ」
「え…っ、
直接本人に言ったんですか!?」
「…
そうね…」
胸が潰れそーだった…
あたしには、その辛さが痛いくらい解る。
しかも、あたしがパパから切り捨てられたって知ったのは、間接的だったけど…
柊也は…
どんな気持ちだっただろう!
「ヒドい…っ!」