ジュリエットじゃ終わんない
「…深紅ちゃん、大丈夫?

この話で、そんな辛そうなら…
その先は話せないわ」



今度はあたしがだんまりになってて…
柊也ママが心配の言葉を零す。



てか、その先って…!


「ケンカのワケも、教えてくれるんですか!?」



「もう、この際ね…

深紅ちゃんに、聞く覚悟があるなら…」



覚、悟…!?




「あります…


教えて下さい!」


どんな辛くたっていーよ!

ちゃんと知りたい…



柊也に近づきたい。





「…わかった」

って、辛そーに伏せられた目が…


ゆっくりと、あたしを捕らえる。




「事の発端は…

…深紅ちゃんよ」



「……えっ?」

一瞬、心臓が騒ぎ出したけど…



「あの女はね…
仕事の都合で、深紅ちゃんを転校までさせて実家に預けたんじゃない。

男に狂って、邪魔扱いしてたのよ!」



「…っ、

知ってます…」

それでも胸が、ズキリと痛む。



「知って、たの…?」

目を大きくして戸惑って…


悲しそーにそっと、あたしの肩をさすった。



その優しさに、瞳が潤む…
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