ジュリエットじゃ終わんない

ただ涙が…

ポロポロと零れ続けた。





「言ったでしょう?

何の解決にもならないって…
傷付くだけだって。


子供に罪はない…
だから出来れば、話したくなかった。


だけどあの子を諦めてくれない限り…
許されない現実に、いつかは傷付く。


だったら、その傷が浅い内に…
これ以上想いが深くならない内に…


深紅ちゃんに覚悟があるなら、
真実を話すのも1つの解決策だと思った」



「…

この話…


柊也は…
知ってるんですか…?」



「大体はね…

2人きりの家族だもの。
多少オブラートに包んだとしても、聞かれた事に嘘は吐きたくない。

2度も絶縁じゃ、隠せる限界があったし…
信用出来る場所でありたかったの」



「そ…ですか…


…帰ります。

いろいろ、すいませんでした…っ」




深々と、

ひたすら深々と、頭を下げて…



涙を拭いながら、玄関に向った。
< 230 / 297 >

この作品をシェア

pagetop