ジュリエットじゃ終わんない
ただ涙が…
ポロポロと零れ続けた。
「言ったでしょう?
何の解決にもならないって…
傷付くだけだって。
子供に罪はない…
だから出来れば、話したくなかった。
だけどあの子を諦めてくれない限り…
許されない現実に、いつかは傷付く。
だったら、その傷が浅い内に…
これ以上想いが深くならない内に…
深紅ちゃんに覚悟があるなら、
真実を話すのも1つの解決策だと思った」
「…
この話…
柊也は…
知ってるんですか…?」
「大体はね…
2人きりの家族だもの。
多少オブラートに包んだとしても、聞かれた事に嘘は吐きたくない。
2度も絶縁じゃ、隠せる限界があったし…
信用出来る場所でありたかったの」
「そ…ですか…
…帰ります。
いろいろ、すいませんでした…っ」
深々と、
ひたすら深々と、頭を下げて…
涙を拭いながら、玄関に向った。