ジュリエットじゃ終わんない
「送るわ」


「…大丈夫です」


「ダメ。
そんな状態で、ひとりで帰せないわ。

深紅ちゃんの頼みを聞いたんだから、今度はこっちの頼みを聞いてちょうだい」


そー言って強引に、車に乗せられた。




静かな車内で。



さっきの柊也ママの話が…

ゆっくり、頭ん中で整理されてく。



その都度、涙が込み上げて来て…

鼻をすする音だけが響いた。




「…

深紅ちゃん。
さっきの話で解ったと思うけど…

どうやったって、あの女は私達親子を受け入れないわ。

亮が戻って行きそうで怖いのよ。


深紅ちゃんには可哀想そうだけど…
でもね?

狭い世界にしがみつくんじゃなくて、
未来はもっと果てしないの。


今は辛いけど、あなたなら…

こんな可愛くて、こんないい子なんだもの!
きっと、もっと素敵な出会いが沢山待ってるわ。


広い世界に目を向ければ、必ず…」



そう慰めてくれたけど…




ごめん、柊也ママ。


そんなのムリだよ…
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