ジュリエットじゃ終わんない
衣装作りしてると…
集中して、いろいろ考えなくて。
気が付けば毎日…
あたし独りになる教室。
パタパタパタと、誰かの小走りな足音が近づいてくる。
特に気にせず…
あたしも帰ろーと、片付け。
だけどその足音の主は…
作業途中から部活に行ってた、穂花だった。
気まず…
忘れ物を取り来たっぽい穂花より先に、
ソッコー荷物まとめて昇降口に。
急いだつもりだったけど…
「…ねぇ、」
結局ほぼ同時で。
しかも突然の声掛け…
驚いたとたん!
「深紅ちゃん今帰りー!?
ずいぶん遅いなー!」
部活の終わった豊田ともバッタリ。
「あ、森さん…」
「おつかれ、豊田くん。じゃあ…」
そのせーで穂花は、すぐに帰ってしまった。
タイミングわる…
「ごめん!邪魔したー?」
「んーん!ぜんぜんっ」
とりあ、毎日衣装作りで残ってる話題にチェンジ。