ジュリエットじゃ終わんない
「深紅!!」


突然、部屋に入って来たあのヒト。



慌てて電話を切ると。


「今誰と話してたの!?
柊也って言わなかった!?」


「言ってないし!
てか、立ち聞きしてたの!?」


「部屋の前通ったら聞こえたのよ!
そんな事より誤魔化さないで!
言ったでしょ!?
見せなさいよ!ケータイっ」


決着の付かない言い合いに…


ケータイ没取の刑。



柊也とケー番交換した時から、念のためロックかけてたのは良かったけど…



ふざけんなし!!!






少しして、久々に始まった親の大ゲンカ。


バァちゃんの前なのに、最近の抑えてた分まで爆発したみたいで。

今日はその理由もわかってて…



あのヒトのヒス声とか、お父さんの大声とかに、耳を塞ぎながら…


憎しみまで込み上げてくる。









ねぇ、どんだけ奪ったら満足すんの?


どんだけ傷付けたら気がすむの?




ねぇ!






お願いだから、これだけは奪わないでよ…!




やっと繋がったのに…






あたし達の心だけは奪わないでっ!!


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