ジュリエットじゃ終わんない
それがやっぱ可愛いくて、
なんかもう愛しすぎて、

下唇を噛んでニマニマしながら追っかける。



そしてその余裕は、隣に並んで打ちのめされる…




「……俺も好き」

そっぽを向いた、ひと言。










それから。


キミにぎゅっとして、ハシャぎながらのニケツで街中に着いて。


チャリを止めると…
降り出した雨。



「ジャーン!折りたたみ傘〜!」

微かな女子力?をアピール。
ま、百均ですぐ買えんだけど…



さっそく開いて、差し掛けると…


「持つ…」って。

スッと伸びてきた手が、あたしの手に重なる。


瞬間キミは、パッと離して戸惑って…



…今度はキュっと。


持つ手を包んで…

だけどそっぽで、歩き出す。





何度も抱きついたクセに、手を繋ぐみたいのは初めてで…


今さら心臓が、やたらバックンバックン騒ぎまくる!




それに。



傘を持ちながら繋いでる手は…

どんな時でも、あたし達の心は繋がってるってシルシみたいで。







秋も終わりの寒い雨の中…



キミのあったかさが、
寂しかった心まであっためてく。
< 274 / 297 >

この作品をシェア

pagetop