ジュリエットじゃ終わんない
そして日曜。


市場が休みで、昼には帰ってくるお父さんに合わせて…



「…行こっか」って差し出された手を、

ゴクっと生つばで「…うん」って握りしめて。


待ち合わせした公園から、あたしん家に向かった。




緊張のドキドキは激しくて。

だけどきっと、柊也の方が…


3年半ぶりの再会と、
避けてきた過去との向き合いに、

苦しいくらい胸が暴れてるハズだ。






バァちゃんは、近所の寄りに出掛けてて…

リビングではお父さんが、テレビを見ながら昼ゴハンを待ってた。




「…ただいま」


「あれ?深紅ちゃん、出掛け…」

そう振り向いて…



柊也の姿に固まった。




「……お前っ、…なんでっ!」


目を大きくして動揺するお父さんを…



まっすぐと、見つめる柊也。




でもすぐに、その空気が変化する。




驚きの声に反応したあのヒトが、

キッチンからスイッと目を向けて…



それはカッと見開いて、鬼の形相へと変わってく。
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