ジュリエットじゃ終わんない
「豊田〜、コレありがとー!
あと、チョコあげる」
ランチ後。
教科書返却と一緒に、餌付け…
違くてお礼!
喜ぶ豊田から、クルッと柊也くんに向き直すと、
バチっと目が合って、逸らされる。
今、見てた?
「はい!柊也くんにもあげる!」
嬉しい気持ちで、差し出したけど…
「…いらね」
バッサリ。
"KYなんだよ"
どこからともなく、そんな声も。
「…え、
遠慮すんなって〜!
チョコ大好きだったじゃん!」
そう負けずと、
柊也くんの手を取って、強引にチョコを乗っけると…
「…まぁ」
とだけ零して、照れくさそうに顔を背けた。
ヤバ、かわいっ!
このシャイなトコが可愛くて、昔はよくいじめてたナ。
よーするに、好きなコをいじめるアレ。
なんでも食べるあたしは、好き嫌いが多い柊也くんに、
"そんなのも食べれないのー!?"とか。
ナヨっちくて女のコみたいだったから、
"空手似合わないよー"とか。
あれ…?
もしかして両想いどころか、
まさかの嫌われてたパティーン!?