ジュリエットじゃ終わんない
片手をゴミ箱、もう片手はスカート…
そんな状態で、モタモタ強風と戦う。



あ〜!!
マジ断わればよかった!


その瞬間、
強風に煽られた砂が瞳に刺さる。


「痛…ッッ!!」



こんな時でもスカートは守って、ゴミ箱放置で顔を覆う。



くっそ!モロ直撃…!

てか、涙でアイラインがぁぁ…




やっと痛みが取れかかったとたん、


ーグイッ!!



いきなし腕を掴まれて…

驚きの目を、その相手にぶつけた。



「え…っ、

…柊也、くん?」




いまいち状況がつかめなくて、戸惑うあたしと…

同じく、自分から腕掴んどいて戸惑う柊也くん。



「…なに?

…どしたのっ?」



「や…

…泣いてたから」



そー言った柊也くんの後ろには、武道場があって…

そこの掃除当番だったのか、様子を伺ってる豊田の姿も見えた。



「あ…、や、目に砂入ったから…」

気まずく答えると、



「えっ…

……ごめん」


腕を離して、その手で顔を隠すよーに前髪をクシャリ。


そんで恥ずいのか、すぐに背中を向けて武道場に歩き出す。
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