ジュリエットじゃ終わんない
キョトンと見送ってると…

なぜか、戻ってくる柊也くん。



視線は合わさず無言のまま…
放置ゴミ箱を持って、また歩き出す。



「…えっ!
いーよ、柊也くん!

うちのクラスんだし、あたしの仕事だし!」


慌てて追っかけると…



「…スカート」

素っ気なく、指示するよーに呟く。



条件反射みたいに従って、
両手でバッとスカートを掴んで、立ちすくむと…



ジワジワと…


何かが込み上げてくる。




「…っ、ありがとぉ」


胸がギュッて鷲掴みされて…

詰まる息から絞り出す。




スカートを気遣って、手伝ってくれてんのもそーだけど…



ー泣いてたからー




今の出来事が、だんだんと把握されてく…





昔と同じ…


泣いてるあたしを心配してくれたんだ。







嬉しくて、嬉しくて、

ホントに泣きそーだったけど…


ぐっと喜びに切り替えて、柊也くんの後を追った。
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