ジュリエットじゃ終わんない
「…さみしい?」
「…うん。
でもお母さんの仕事だからしょーがないよ」
「僕、遊び来る(行く)!」
親同士のケンカを直前に控えた頃の転校で…
柊也くんは、そう励ましてくれたよね。
「ヤダ!お母さんと一緒に住む!
お願い!いい子でお留守番するから!」
「ダメ!新しい仕事はすっごく遅くなるの!
いい子ならわかりなさい!」
子供の気持ちなんか、大人の現実で…
いつも簡単にぶった切られる。
転校して、ジィちゃんバァちゃんと暮らすコトになったあたしは…
柊也くんと会えるのを励みに頑張ってたんだ。
「ねー、柊也くんとはいつ会えるの?
今度、今度っていつ?
早く会いたいよー」
「ああもっウルサイ!
いーかげんシツコイ!
柊也くんとはもう会えないの!
柊也くんのお母さんとケンカしたの!
だから2度とその名前言わないで!」
週イチで会いに来てたあのヒトに、毎回託してた望みは…
転校から3カ月たった頃、絶たれた。