ジュリエットじゃ終わんない
そのうち…
あのヒトが来るのは2週間に1回になって。
少しして…
今のお父さんを紹介された。
お父さんは優しくて、あたしを可愛がってくれたから、すぐに仲良くなったけど…
それ以来、あのヒトと2人っきりで出掛けなくなった事が、当時は寂しかった。
いろんなコトをガマンして…
いっぱい寂しさガマンして…
友達が母親とスーパーで買い物してる。
そんな事ですら、羨ましくてたまんなかった。
「見て!
読書感想文、コンクールで入賞したよ!」
「そのくらい…
お母さんだって似たような賞取った事あるし」
なに張り合ってんの?
子供かよ。
だけどその頃のあたしは…
純粋に、あのヒトの気を引くのに必死だった。
酷い時は月イチしか来ない。
寂しくて…
寂しくて…
万引きした。