ジュリエットじゃ終わんない
だけど空手男子は、凛とした強い瞳をあたしらに向けて…

無言のままオタク男子を連れて、その場をかわした。



売られても買われてもないケンカに、何も出来ず…

その雰囲気に圧倒されたまま、それを見送る。



「マジ、シケル…
もー行こ〜ぜ…」

そう口々に零して…

みんなでその場を後にした。


だけどあたしは、1度だけ振り返って…



空手男子を目で追った。




オタク男子がペコペコしながら離れてく。

ツレの空手男子から、ベシッと可愛がられるよーに頭を叩かれてる。


そして、照れくさそうなキミに…







心がざわめいた。





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