ジュリエットじゃ終わんない

昨日は…


あれからすぐ、ひろし先輩に挨拶して。
少しブラついて、いい気分で家に帰った。


なのに…



いつもより壮絶な夫婦ゲンカ。



「なにこれ…っ、

…今日、どーすんの!?」




ことごとく割られた食器類。

あらゆるものが散乱した、踏み場のないリビング。

電化製品も、きっと壊れてる…



グチャグチャなんてレベルじゃない。

ここはもう、ゴミ捨て場なんだ…






「深紅!
今日から当分、ばーちゃんの所で暮らすから!

荷物、さっさとまとめて!」



「ちょっ、待ってよ!
そんなん急に言われても困…」

「コレじゃしょーがないでしょ!
学校は近くなるんだから、文句言わないの!」



あたしの意見を遮った言い分は、あまりにも身勝手で…

このヒトらしいと言えば、そーだけど。


しょーがないって…

自分が暴れたクセに、バカなの?




「いーかげんにしろよっ!
お母さん達まで巻き込むのかっ!?」


そうお父さんが止めに入ったけど…

今のこのヒトには火に油だ。
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