ジュリエットじゃ終わんない

「…手伝う」


突然、目の前に差し伸べられた手に…

慌てて顔を上げる。



「えっ、柊也!
なんで!?どしたの!?

あ、勉強会は?」


「今から」


「そか、
じゃ、先行ってて!」


って、ゆってんのに…


「…どれ?」って、プリントに視線を向ける柊也。



胸がキュウ、キュウ、喚きだす…




嬉しくて、
結局甘えちゃって。





ね、柊也…



そんな優しいと、期待すんじゃん?




作業途中、つい見つめるあたしに…


「…なに」

不機嫌に照れくさそーな顔。



「えっ、と…

あ、そーそ!
柊也ってさ、なんかジィちゃんに似てんだよね」



「……は?」

どーゆーイミだよ、ってシケた顔。



「あ〜、違う違う!
ジジ臭いとかじゃなくてさっ、
なんての?

静かで、強くて、すごく優しい…」



ジィちゃんもそう。

あの優しい顔は、たまにだけど…


その顔を見ればわかる。
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