ジュリエットじゃ終わんない
逆遠恋
「あ、おかえり」
深夜までテス勉に励んでた合間、小腹でリビングに降りると…
あのヒトの遅い帰宅。
「…まだ起きてたの?」
不機嫌そーに通り過ぎる。
は?
頑張ってんのに、水差すなし…
てか、ただいまも言えないワケ?
一気にヤル気をなくして、その日は終了。
だけど次の日。
トイレで一緒になった穂花と、教室に向かう途中…
「…柊也くんってさ、勉強すごく頑張ってるんだよ?」
って、いきなしな話題。
「そーなんだ?
あたしらも負けてらんないね!」
「…うん。
柊也くんちって、母子家庭でしょ?
私立とか絶対無理みたいでさ…
必死に頑張って、その結果ここに合格したんだよ?」
「へぇ…」
相槌しながらも…
あたしの知らない柊也を知ってる穂花が…
うらやまで、ちょっと悔しい。
「今もね、親孝行したいからって…
今後の進路に向けて、成績上位を目指してるんだよ?
だから…ね?
あんまり柊也くんを、巻き込まないであげてね?」