ジュリエットじゃ終わんない
「待って!
ちょっと本(雑誌)だけ買ってくる!」

「あー、俺も」


って、2人で少し混んでるレジに並ぶ。




「…落書き」

ふいに柊也が呟いた。


その顔を、イミフなカンジで覗き込むと…



「…あ、国語」

そう続いたワードで、すぐに解った。




「あ…、見つけちゃった?」


こっそりシルシした…
"がんば!"のメッセ。



「ん…


…なんか、頑張れた」



少し照れくさそーで、
少しそっぽを向いて、

そう零された言葉は…




胸に響いて、


そして、震わせる…







柊也はちゃんと、見つけてくれた。


そしてそれは、少しでも力になれたんだ…!





嬉しくて、嬉しくて、


反応も返せずに、瞳が潤む。




そんなあたしを、柊也の瞳がフッと捕える。


慌てて取り繕うとして…










周りなんか見えてなかった。
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