『特別』になりたくて
「まぁ、色々あってね」
「ふーん?」
会長の言葉に九條君は意味深な返事をするけど、それに突っ込むまもなく瑞姫が口を開く。
「あたし、この席にすーわる!」
いつの間にか私の隣に座っていた瑞姫がそう言うと、それに続くようにして九條君が、
「じゃあ、俺は憂姫ちゃんの隣で」
と冗談ぽく言いながら私の左隣に座る。
「え、でも……」
瑞姫と隣の方が良いんじゃ? そう言おうとしたけど私が言い終わる前に会長が瑞姫の隣に座ったため言いそびれてしまった。
「じゃあ、この席順で教えるけど……一体何が苦手なの?」
「全部」
「は?」
「だから、あたし全教科苦手なの」
キッパリ言う瑞姫の言葉に会長は愕然として。数秒硬直した後に私と九條君に向かっていった。
「ごめん、正直ここまでとは思ってなかったから。伊波さん、要人のことは任せるよ」
深い溜息をつきながらそういう会長に、無理だなんて言えるはずもなく、私は二つ返事で了解したのだった。
こうして、勉強会は四人で行うというよりも、教える側と教わる側がペアを組む形で開始されたのだった。
「ふーん?」
会長の言葉に九條君は意味深な返事をするけど、それに突っ込むまもなく瑞姫が口を開く。
「あたし、この席にすーわる!」
いつの間にか私の隣に座っていた瑞姫がそう言うと、それに続くようにして九條君が、
「じゃあ、俺は憂姫ちゃんの隣で」
と冗談ぽく言いながら私の左隣に座る。
「え、でも……」
瑞姫と隣の方が良いんじゃ? そう言おうとしたけど私が言い終わる前に会長が瑞姫の隣に座ったため言いそびれてしまった。
「じゃあ、この席順で教えるけど……一体何が苦手なの?」
「全部」
「は?」
「だから、あたし全教科苦手なの」
キッパリ言う瑞姫の言葉に会長は愕然として。数秒硬直した後に私と九條君に向かっていった。
「ごめん、正直ここまでとは思ってなかったから。伊波さん、要人のことは任せるよ」
深い溜息をつきながらそういう会長に、無理だなんて言えるはずもなく、私は二つ返事で了解したのだった。
こうして、勉強会は四人で行うというよりも、教える側と教わる側がペアを組む形で開始されたのだった。