『特別』になりたくて
「要人いい加減にしろ!」
そんな声が真横からしたかと思ったら、次の瞬間にはベリッと言う音と共に瑞姫から九條君が引き剥がされていた。
「いててっ、そんな思い切り引っ張らなくてもいいだろ!」
「場を弁えないお前が悪い」
「鬼、悪魔」
「……何か、言った?」
「…………何でも無いです」
有無を言わさないやり取りで九條君を抑えこむ片桐会長。
何と言うか変に慣れてるというか、片桐会長が意外と言うか。
依然として口を挟めない私に代わって話しだしたのは瑞姫だった。
「あの、二人はどういう……?」
瑞姫の言葉に二人は一瞬顔を見合わせるようにして、それから各々で答えた。
「ただの保護者だよ」
「親友って、保護者だったの飛鳥!?」
……大体分かったけど片桐会長、完全に九條君で遊んでるような。
そう思いつつも口には出さず、疑問が解けたところで改めて鞄を持ち直す。
「瑞姫、私は帰るけど……どうする?」
この分なら九條君と帰れそうだけど。
嫌うどころか探しにまで来てくれたんだし、と耳打ちして。
すると、分り易く頬を染めながら硬直してしまった。
これは帰っていいってことかな? そう判断して教室を出ようとすると。
「いやいや、どうせ皆帰るんだからさ四人で帰ろうよ?」
九條君の発言で足を止めることになる。
「いえ、それじゃあ二人に悪いので……」
そう断ろうとしたんだけど、
「要人くんの言うとおりだよ! 皆で帰ろう、ね!」
瑞姫までもが呼び止めてくる。それでいいの? という視線を送ってみるけど通じるはずもなく。
「そこまで言うなら」
こうして私は四人で帰ることになったのだった。
片桐会長は少し不満そうにしてたけど、何だかんだ言いつつも一緒に来てくれたから本気で嫌ってわけじゃないんだと思う。
不思議な縁もあるんだなーなんて思いながら、三人の後ろをついて歩くのだった。
そんな声が真横からしたかと思ったら、次の瞬間にはベリッと言う音と共に瑞姫から九條君が引き剥がされていた。
「いててっ、そんな思い切り引っ張らなくてもいいだろ!」
「場を弁えないお前が悪い」
「鬼、悪魔」
「……何か、言った?」
「…………何でも無いです」
有無を言わさないやり取りで九條君を抑えこむ片桐会長。
何と言うか変に慣れてるというか、片桐会長が意外と言うか。
依然として口を挟めない私に代わって話しだしたのは瑞姫だった。
「あの、二人はどういう……?」
瑞姫の言葉に二人は一瞬顔を見合わせるようにして、それから各々で答えた。
「ただの保護者だよ」
「親友って、保護者だったの飛鳥!?」
……大体分かったけど片桐会長、完全に九條君で遊んでるような。
そう思いつつも口には出さず、疑問が解けたところで改めて鞄を持ち直す。
「瑞姫、私は帰るけど……どうする?」
この分なら九條君と帰れそうだけど。
嫌うどころか探しにまで来てくれたんだし、と耳打ちして。
すると、分り易く頬を染めながら硬直してしまった。
これは帰っていいってことかな? そう判断して教室を出ようとすると。
「いやいや、どうせ皆帰るんだからさ四人で帰ろうよ?」
九條君の発言で足を止めることになる。
「いえ、それじゃあ二人に悪いので……」
そう断ろうとしたんだけど、
「要人くんの言うとおりだよ! 皆で帰ろう、ね!」
瑞姫までもが呼び止めてくる。それでいいの? という視線を送ってみるけど通じるはずもなく。
「そこまで言うなら」
こうして私は四人で帰ることになったのだった。
片桐会長は少し不満そうにしてたけど、何だかんだ言いつつも一緒に来てくれたから本気で嫌ってわけじゃないんだと思う。
不思議な縁もあるんだなーなんて思いながら、三人の後ろをついて歩くのだった。