もう、きっと君と恋は始まっていた
*2day 由樹とデート
今日は由樹君とデートの日。
昨日の放課後、突然、由樹君から“デートしない?”と誘われて、私は今、待ち合わせの駅にいる。
時刻は約束の時間より、気持ち早めの15分前。
初めてのデート、になるわけだし、やっぱり遅刻とかはダメだよね!
私は改札口を通ってきて、すぐのところにある大きな天使たちの銅像の前に立ち、辺りをキョロキョロと見回す。
よし、由樹君はまだ来てない!
『だーれーだ?』
突然誰かの手が私の視界を遮ったとおもったら、この声…
振り向かなくても、手をどかさなくても分かる。
『……由樹君』
私が答えると、由樹君が極上の笑顔で、私の前に現れた。
『すぐ答えが分かるとか、つまんねーよ』
由樹君はそう言って、私のおでこにデコピンを喰らわす。
『いた…!』
本当に軽くやる程度だったから、そんなに痛くはなかったんだけど。
大袈裟に痛いですアピールをしてみる私。
『そんなに痛いの?』
由樹君はそう言って、私に迫ってくる。
というのは大袈裟で、ただ、私のおでこの様子を見るのに、背の高いが彼が少し屈んだだけなのだけれど…
『ごめんね?』
そう言って、由樹君は私の手をどかして、おでこに自分の唇を当ててきた。
ひぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
一気に、由樹君の唇が触れた場所から体全体に熱が渡り、全身が火照っていくのが分かった。