もう、きっと君と恋は始まっていた
『……で、でも……
もし崇人が私のことを……想ってくれてたら…
奈々と由樹君は……』
『じゃ、知佳は同情で俺の傍にいてくれる?』
由樹君の言葉に、ハッとする。
『崇人にも自分の想いを押し殺させて、奈々の為に同情で付き合うの?』
『俺は同情でいてほしいとは思わない、きっと奈々も。
本当に好きな奴には同情じゃなくて、本気で好きになってもらって一緒にいてほしい、俺はそう思うけどな』
続く由樹君の言葉に、私は頷く。
『……でも……どうすればいいか……』
由樹君はクスって笑って、私の頭をポンポンする。
『俺の大事な初恋の相手と大事な理解者、その二人をこんなに悩ませてんだから、崇人の気持ち、ハッキリさせてもらわないと、だよな…』
そう言うものの、由樹君は意地悪そうに微笑む。
何かいい案でも思いついたのだろうか…
『知佳、崇人の気持ち、教えてもらおうな?』
私は由樹君の言葉が理解できず、その場で首を傾げた。
『ま、明日のお楽しみだな♪』
………明日、一体、何が起きるんだろうか……。