もう、きっと君と恋は始まっていた





『知佳ー、ドリンク決まったー?』


なんだかんだ言いながらも結局はいつものお店に入店した私たち。

レジのところまで来て、奈々は私に、そう、問いかけてくる。




『うーん…今日は烏龍茶でいいかな』


『知佳、渋いなー』


奈々はそう言って、店員にミルクティーを注文した。


私も遅れて烏龍茶を注文する。


ほぼ同時に奈々と私が注文したドリンクを受け取り、会計を済まし、ほとんどいつもと同じ席に腰掛けた。






『それで、はい、本題♪』



突然の奈々の言葉に、私はストローを床に落としてしまった。




『ちょっと、何、動揺してんの?』



奈々はサッと床に落ちたストローを拾い上げて、近くのゴミ箱に捨ててくれた。


そして、ゴミ箱の横に置かれている棚から新しいストローを持ってきてくれた。





『…ありがとう』


私は受け取るなり、奈々にお礼を言った。

奈々はそれを聞いて、ニコッと微笑んだ。





『知佳がそんなに動揺するっていうことは…
 由樹とうまくいってる感じ、かな?』


奈々は何か面白いものを見つけた時のように好奇で溢れた顔をしている。





『……まぁ…』



『え、うまくいってないの?』



うまくも何も、何もないんだけども。


と、いうか…一応、奈々は由樹君の彼女だったわけで…


そんな人の前で、仮にうまくいってても、“うまくいってるよ”なんて言える気がしないよ…


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