女子高生ヒーロー、IN幕末なり。
「…水島、何事も程々にな。とにかく、如月は副長室行くぞ」

「はぁーい。あ、でもその前に厠(トイレのことである☆)行ってきますねー」

「あぁ。なら俺は先に行ってる。…ちゃんと来いよ」

一体土方さんはあたしをどんなサボリ魔だと思っているのか。

「あのですねー、いくら面倒ごとが嫌いなあたしだからといっても、ちゃんと話くらい聞きますよ?」

「だといいけどな。用が済んだらちゃっちゃと来いよ」

土方さんは最後にそう言うと、稽古場を出て行った。

「…もしかしなくても、あたし信用ない??」

「……まぁ、如月隊長がサボリ魔なのは事実ですし……」

「颯!!そういうのは、思ってても言っちゃダメだって!!」

「おいこら那月くん。何気に君が一番失礼だって」

「えっ!?俺が!?すっ、すみません……!!」

しゅーん。
まるで、耳が垂れた柴犬のよう。
那月くん、それはずるいよ。

あたし、動物には弱いんだ。

「あ、や、別にいいけどね!じゃあみんな!今日の稽古はここまでにするから、各自部屋でゆっくり休んでねー。ちなみに今日は、11番組が炊事当番だから、夕餉の時間の前には台所に集合することねー!」

ちなみに、なんだかんだで炊事当番は毎日交代になった。

…まぁ、あたしが近藤さんに物申したからなんだけどね笑

料理が苦手な隊長の組は、洗濯と雑巾掛けね。笑

「「「「はいっっ!!ありがとうございました!!!」」」」

息のピッタリ揃った返事と、達成感に満ちた笑顔。

うん。やっぱりこういうのいいね。

あたしは胸が温かくなるのを感じながら稽古場を後にした。

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