女子高生ヒーロー、IN幕末なり。
「ほう…。近衛はどんな印象を受けた?」
「そうですね、俺も颯と同じような印象を受けました。まさに犬猿の仲、というか。…少なくとも、仲間と言った類ではないと思います。」
「どちらかと言えば、敵と取れるような態度でした。」
颯が付け足した言葉に、俺は数度頷いた。
「なるほどな。桂に攫われた線も考えられるってことか。」
「そういうことになります。僭越ながら、私は十中八九、如月隊長は桂に攫われたものと思います。」
颯は真剣な顔でそう言い放った。
副長はただ一言、「そうか」と静かに言った。
眉間に皺を寄せ、考え込んでいるようだ。
「ただ、問題は桂の居場所についてですよね。」
アイツは京中を転々として上手いこと俺たちから逃げていると聞いたし。
そうそうしっぽ掴めるものじゃないはず……。