女子高生ヒーロー、IN幕末なり。
あたしは、何も考えずに大通りへ飛び出した。

そこには、8歳くらいの男の子を囲む数人の男たち。
男の子の後ろには、その子のお姉さんだろうか、15歳くらいの女の人が土下座している。
そして男の子が、行く手を阻むように両手を広げて男たちに睨みをきかせている。

近付くにつれて、彼らの会話が聞き取れるようになってきた。

「やい!早くその簪を返しやがれ!」

男の子は強気に言い放つ。
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