女子高生ヒーロー、IN幕末なり。
「そうして機会をうかがっているうちに!!」
耐えかねたように颯が唐突に怒鳴った。
「おい、颯「如月隊長に何かあったらどうするのですか!!!」
止めようとする俺の言葉も聞かず、尚も颯は続ける。
「如月隊長は!!私たちの隊長なんです!!!隊長に何かあったなら、部下が助けに行くのは当たり前でしょう!?」
「っ、……そこで死んだらそれまでのやつだったってだけだ」
副長は不意を突かれたような顔を一瞬したけど、またすぐ難しい顔に戻って話を続けた。
「焦りは人を殺す。…そんな状態で、本当に如月を助け出せると思っているのか?今の顔をそこの池で見てみたらどうだ?」
「……っ!!」
颯はキッと副長を睨みつけたかと思うと、部屋を出て行ってしまった。
「っおい!…………はぁ」
思わずため息。
颯があそこまで取り乱しているのを初めて見た。
あのままの颯じゃ、きっと本当に池田屋か四国屋のどちらかに1人で乗り込んでしまうだろう。
どちらにせよ放っておけないな。