女子高生ヒーロー、IN幕末なり。
「……お前は落ち着いているな?近衛。」
2人だけになった部屋で、副長は自嘲気味に笑った。
「…そんなことないですよ。これでも結構焦ってるんですけどね。俺あんま顔に出ないみたいで。」
へらっと笑って見せる。
こういう時、自分を見失わないことが大事って如月隊長に言われていたからか。
俺は割と平静を保っていられたんだと思う。
「…そのようだな。……早く水島のところへ行ってやれ。今のアイツじゃ、何しでかすか分かったもんじゃねぇ。」
副長は何か言いたげな目をしていたけれど、ただ「早く行け」と促しただけだった。
「はい!颯が生意気な態度とってすみませんでした!後でよく言っておきます!!失礼しました!」
とりあえず颯の尻拭いのようなコトをしてから、俺は副長室を後にした。
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「……いっそ、何もかも捨ててお前を助けに行けたらいいのにな。……らしくもねぇ。」
1人になった部屋で副長がそんなことを呟いていたなんて、俺たちは知らなかった。