女子高生ヒーロー、IN幕末なり。
「あぁ?なんだ?餓鬼が俺たちに口答えするのか?」

真ん中の男の手には、赤い簪。
……なんとなく、状況が分かって来たぞ?

「祥ちゃん、もうやめて…!」

「なんでだよ!!これは死んだ母上の形見だろ!?姉上だって大切にしてたじゃないか‼︎」

「私には、簪よりも、祥ちゃんの方が大切なの…!!」

「じゃあ、じゃあ…!姉上は、母上との思い出を捨てるって言うのか!?しかも、こんな奴らに!!」

「…………」

女の人は何も言わない。
それほど、あの簪は大切だということだろう。

「僕は嫌だよ‼︎姉上‼︎こんな、こんな奴らになんて、絶対に渡さない‼︎早く返せよ‼︎‼︎」

その時、男の内の一人が刀を抜いた。
< 21 / 238 >

この作品をシェア

pagetop