女子高生ヒーロー、IN幕末なり。
「……僕ね、結核だって。あの死病で有名な」
「……っ」
頭を鈍器で殴られたような衝撃があった。
覚悟してたのに、かける言葉が見当たらない。
「目が覚めてから、非番の日にお医者さんに診てもらったんだ。さすがに、自分の身体だからね。熱中症にしては、咳とかも出るし、やたら熱っぽさは抜けないしおかしいなとは思っててさ。」
「それに、別にあの池田屋の日が初めてじゃなかったんだ、身体の不調子。少し前から、違和感はあってさ。少し血とか吐いちゃって。」
彼は至って落ち着いて自分の病状を淡々と話している。
その様子がなんだかひどく哀しいものに見えて仕方がない。
「そうしたら結核なんて言うんだもん、さすがに驚くよね。だってこんなに元気なのに。」
「刀も振るえるし、ご飯だってたくさん食べられるし、全然走れるのに」
「……戦で死ぬのではなくて、病で死ぬなんて、なんだかやるせないなぁ」
「死ぬとか言わないでください!」
沖田さんが死ぬなんて、考えられない。だって、私は覚悟した。
時代を変える、覚悟を。
絶対に死なせない。
「でも死病だし。治らないからね。…あーあ、ひかりちゃんが聞いたりなんてするから、後ろ向きな考えがまた出てきちゃったじゃん。…なんてね、ふふ」
無理に笑う姿に胸が痛む。
こんな顔はしてほしくない。