女子高生ヒーロー、IN幕末なり。
「嬢ちゃん、刀なんか使えないだろう?おとなしくそこをどいた方が身のためだぞ?」

その時、目の前の男の表情と、あたしの夢を馬鹿にした担任の顔が重なった……気がした。

「おにーさんありがと!ちょっと借りるね!」

「ああ」

改めてお兄さんの了承を得て、刀を構える。もちろん、抜刀なんてしていない。
人を斬るつもりなんて、さらさらないからだ。
というか、そもそも斬れない。

「なんだその構えは〜?さては嬢ちゃん、刀を持った事ないだろう?初心者丸出しだぞ?」

話し方を聞けば聞くほど担任に似てる!!
なんか、すごいムカついてきた!!

初心者じゃないし!構え方や攻め方は我流だけど、剣道やってたし!!

「クソおやじがぁぁぁぁあ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」

ーーポコンッ。

大きく踏み込み、威勢よく刀を振り降ろしたとは思えないショボい音。

それもそうだ。
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