大人の恋模様

出張先での事が、
会社で大きく話がずれて伝わっていた。



俺は、上司に呼ばれて
専務室にいた。


「君は、出張先で何をしたんだ！」

冷静な顔で言ってやった。


「何も恥じる事はありません。丸山が言っている事は、事実に反しますから。」

「はぁ〜しかしね〜。証拠もない訳だし
言い逃れはできんぞ！」
この専務は、もともと俺を気に入らないからか、弱みを握ったつもりか、
ニヤニヤしていた。

イラついた、
俺は、ポケットから携帯を出し
録音機能をタッチした。

「これが、証拠です。聞いてから判断お願いいたします」


隣りに座る俺の同期の中山 学と
ちらっと目が合って
小声で、
「佑磨…心配ない。」
「あ〜。サンキューな」

そこには、丸山が発した言葉が
録音されていた。

「なんだ！丸山！お前！私に恥をかかせおって！」

「だって…。パパ〜。」

「はぁ？お前ら？」

はぁーん。なるほどね。
俺は、
「専務こそ、丸山とどういった関係ですか？この際、はっきりさせましょうか！」
「いや…。わたしは、彼女とは…。
全く関係無い！！」

「何でよ〜！パパが、部長を落としたら
私と結婚してくれるって！！嘘つき！」

近くにあった書類や雑誌なんかを
ぶつける彼女。
ギャーギャーわめき散らして
痴話喧嘩。

俺は、すぐに、直属の上司で、
俺の兄である取締役に電話した。

「兄貴！聞いたか？」
「あー。バッチリだ。直ぐに
緊急会議をするから、5階の会議室に
連れてこい！」
「分かった。」

喧嘩中の2人に向かって
「テメェらいい加減にしろ！これから
緊急会議だ！行くぞ！」

同期の中山と2人をガッチリ抑えて

会議室へ向かった。