ビターな僕の甘いレディ
ひなのの髪は、肩くらいまでのボブ。
写真の女の子は、髪の長いひなのなんだ。
「…勇雅……この子…ひなのに似てねぇ…?」
携帯を返しながら、まじまじと勇雅を見つめる。
勇雅も確認するかのように携帯を覗き込んだ。
覗き込んで数秒経ってから顔を上げた勇雅。
目を大きく開いて口を開かなくても驚いてるのが分かる。
「誰かに似てるとは思ってたけど…この子、ひなのちゃんじゃん!!」
「ひなのより雰囲気が大人っぽいけどね。」
「この子、璃央(りお)ちゃんっていって兄貴とタメらしいよ?」
勇雅の言葉を聞いた途端、頭にフッと浮かんだ考え。
『この子を好きになれば、この苦しさはなくなるんじゃないか』