ビターな僕の甘いレディ
オレは靴を履き潰したまま外に飛び出す。
外に出た途端、校門に立つ璃央さんと目が合った。
「あ!もしかしなくても夏生くん?こんにちは♪璃央だよー!!」
―…テンション高ぇ……
こんなのモロひなのじゃん…
璃央さんには悪いけど初対面でげっそりしてしまったオレ。
「あぁー…こんにちは…」
疲れた表情で、とりあえず挨拶を返す。
するといきなり傍によって来た璃央さんは、勝手にオレの腕に自分の腕を絡ませると
「写メよりかっこいいね♪」
ってオレを見上げて笑った。
声はひなのより少し高いけど、身長は全く同じ位だ。
この人、実はひなのなんじゃねーの?と疑ってしまいそうになる。