ビターな僕の甘いレディ
「あー…どうも。」
オレは、実際引いてたけど作り笑顔を璃央さんに向けた。
「で、あの何の用事ですか?」
「タメ語で全然いいよぉ♪」
「あ…はぁ…で何の用事なんですか?」
『あ、そうだ』って言うと、自分の鞄をあさる璃央さん。
そして、鞄の中から二枚の紙を取り出すと
「ね、映画行こっ!!私タダ券持ってるんだー♪」
って絡めたままのオレの腕を引っ張る。
「え…映画!?」
「うん!何か観たいのあったら教えてー」
「ちょ…璃央さ…」
すると、いきなり振り返った璃央さんは
「りお!璃央って呼んでよ♪」
と言って顔を近付けて微笑んだ。