ビターな僕の甘いレディ
―…駄目だ。
完璧にこの人のペースに飲まれてる。
女の子に振り回されるなんてオレらしくねぇ。
オレは自分のペースに持ち込むために、璃央を見て微笑み返す。
「何?璃央、オレと遊びたいの?」
これで大低の女の子は顔を真っ赤にして『そんなことないよ』って言うんだ。
さて、この人はどんな反応を―…
「やったぁ!!遊んでくれるの?ありがとー夏生♪」
……………はぁ?
目の前の璃央はぴょんぴょんと飛び跳ねて喜んでいる。
しかも、もう『夏生』って呼んでるし。
早いだろ。
―…何か調子狂う。
もうこうなったら意地でもオレのペースに持ち込んでやる。