ビターな僕の甘いレディ
「璃央、行こ。」
そう言って璃央の手を引いて歩くオレ。
後ろから
「えー!!夏生ー!?」
ってオレを呼ぶ声がしたけど、それを無視して歩き続けた。
「……夏生ぃ…歩くの早いよぉ…」
後ろを歩く璃央はオレのペースで歩いてるから、疲れた声を出す。
「あ……ごめん。」
璃央の声で歩くペースを緩めるオレ。
――――グイッ
「………何?」
璃央がオレの洋服を引っ張った。
「勇飛から聞いたんだけど夏生って…モテるのに特定の彼女作らないんでしょ?」
真剣な目でオレを見つめる璃央。
勇ちゃん…そんなことまで言ったのかよ…。
まぁ、間違ってないからいいけどさぁ。
「…うん。だって実際本気で人を好きになることなんてないと思うんだよね。」
口では、こう言ってるけどオレは教えられたんだ。
幼なじみのアイツに。