ビターな僕の甘いレディ
私は、夏生の制服の袖を掴む。
私に掴まれて驚いたらしく、真面目な表情に夏生はなった。
「あ…あのね…私、純と別れたよ…。」
声が裏返りそうになるのを必死で抑えながら発した言葉。
「…え?何で?」
「えぇっと…純と一緒にいるの疲れちゃった。」
さすがに夏生が好きとは言えなかった私。
頭の中で言葉を組み立ててから喋る。
「夏生…その…いろいろごめんね?」
「あー…別にいいよ。よく頑張ったな!」
そう言って、私の頭に置かれた夏生の手。
その手から私の体中に熱が広がった。
――…私はやっぱり
夏生が好きなんだ。