ビターな僕の甘いレディ
理性と本能
Story4
生徒の声がうるさく響くバスの車内。
オレは、集合時間に少し遅れて到着した。
「夏生ー♪おはよー」
「……………はよ。」
ジャージ姿のクラスメイトたちが、オレに声を掛ける。
みんなの声に適当に返事を返しながら、指定された自分の席へ座った。
隣には、不機嫌そうに窓の外を見つめる勇雅。
オレは、おはようも言わずに
「…何、どうしたの?」
と話し掛けた。
勇雅は、低い声で
「持ち検で携帯取られた。」
と、窓の外からオレへ目線を移しながら言った。