ビターな僕の甘いレディ



そんな勇雅がいきなり意地悪な顔から真面目な顔になったかと思うと



「でもひなのちゃんって彼氏一筋じゃなかった?」



って立ち上がり、窓の外を見ながら尋ねてきた。




そうだよ。



いくらオレがひなのに惹かれてても、このままじゃオレの一方通行じゃん。




「浮気症な彼氏だから無理にでも別れさそうと思ってるんだけど…」



「…………………」




勇雅からの返事がない。



勇雅は、窓の外をただじっと眺めている。




「おい…勇雅?人の話聞いてた?」



「夏生………あれって…」




立ち上がって勇雅が指差す方向に目をやった。




オレはコンタクトで矯正しててもあまり目が良くない。



だけどその方向を見た時、思わず目を疑った。




オレの見間違いじゃなければ――……





あれってひなのじゃねぇの?









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