ビターな僕の甘いレディ
Story8
先生の目を勇雅が上手くごまかしてくれて、なんとか外に出れたオレ。
急いでひなののところへ向かう。
そして、人だかりの近くまで来た時
いきなり聞こえてきた大きな声と音。
「―…ふざけんな!!」
―――パンッ
「え…何?何の音?」
勇雅は長身を生かして背のびをして状況を確認する。
そんな勇雅の顔が引きつって
「ひなのちゃんが…」
と語尾を濁した。
勇雅の状況から、やばいと判断したオレは無理矢理人だかりをかきわける。
「――…ひなの?」
やっとのことで確認出来たひなのの顔は、ほっぺたが赤く腫れていた。