ビターな僕の甘いレディ
「あんたみたいな女、純は何とも思ってないんだよ!!」
「そんなことないよ!ちゃんとした彼女だもん!!」
オレらの目の前でギャーギャーと繰り返される低レベルな争い。
下手したら頭痛になりそうな位うるさい。
何気に平和主義者なオレは、面倒なことに首をつっ込むのは極力避けている。
今回は特に面倒くさいと判断したので、勇雅と戻ることにした。
そして、振り返って歩き出そうとした時――…
「あんた、うざいよ!!」
という声とともに聞こえてきたパーンという音。
オレと勇雅が振り返った時には、ひなのの両頬は赤くなっていた。