ビターな僕の甘いレディ
――――パンッ!!
………普通に痛ぇ。
音とともに走った痛みはオレにとって結構なダメージ。
「…………夏生…」
勇雅が丸くした目でオレを見る。
オレは、ひなのをかばって自分が叩かれていた。
「夏生…何してんの!!」
ひなのがあせった顔でオレの洋服を掴む。
「平気だから。気にすんな。」
「…気にするよ!!」
ひなのはそれだけ言うと、オレの洋服を掴んだまま引っ張って歩き出した。