ビターな僕の甘いレディ



「―…ねぇ、あの人と何があったの?」




夏生が私を真っ直ぐに見つめながら言う。



多分、今この人の目の中には私しか映っていない。




気持ちを落ち着かせながら、夏生の質問に答える私。


「えぇっと…別に体したことじゃないから!」



「体したことじゃなかったら、こんなほっぺたにはならないでしょ。」



夏生は自分の頬を指差しながら首をかしげる。




…この人に私は全てお見通しなんだ。





「…聞いてて分かったでしょ。純のことだよ。」



「やっぱりね。あの子オレらの学校の子だったし、ロリコンなんじゃねーの?」



…ロリコン……




「………そうかもね…」



「え?ひなの?冗談だって!!」



「だって私…純の他の彼女みたいに綺麗じゃないし…かといって可愛くもないし…」



「おい…ひなのー…」



「身長もそんなに高くないし…細くないし…」




最悪だ。


自己嫌悪になっちゃったよ。


でも喧嘩した子だって可愛いかったし…



私って純に愛されてるのかな?



ただキープしてるだけの都合のいい女なんじゃないのかな?









< 87 / 132 >

この作品をシェア

pagetop