444~replay~
『女子ソフトボール部』と書かれた部室のドアを開けると、

「遅い!」
という鋭い声が浴びせられた。

すでに、3年生が何人か集まっている。

ソフトボールのユニフォームに着替えてシューズの紐を結びながら話をしている。

私に注意したのは2年生の板垣範子。

先輩にはヘラヘラと従い、その分後輩には厳しくて有名だ。

最近、板垣範子は私に厳しい。

しょうがない、と思う。

突然現れた新入部員が、あっという間に前回の親善試合に出場したのだから。


……あんたは控えで十分。


心の中で毒づくと、私は、
「遅れてすみません」
と、頭をさげた。
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