444~replay~
ぶわっと涙があふれてきた。

涙なんていつ以来?

覚えてない。

あふれる涙はそのままに、私は口角を上げて笑ってみせる。

「今日は来てくれてありがとうございます。……すごく、うれしかったです」

死ぬかもしれない、というのに幸せな気持ち。

探していた宝物を見つけたような……。

そんな不思議な感情が、なぜか心地よかった。

「絶対に生きて。なんとか3か月……」
言いかける遙香に、大きくうなずく。

「また明日、学校で会いましょう」
そう言うと、3人はようやく表情を緩めてくれた。

「また」

「明日ね」

「またな」

口々に言う彼らを、私は初めて愛しいと思った。
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