闘争少女【前編】完
「幻滅したやろ…
イスズはこんな綺麗で特別扱いを
受けれるような学校のお嬢様なんやから
こんな俺の生き方は未知の世界でしかない…」
申し訳なさそうな顔を見せるオオカミ
『そんなことないよ……
それと私はお嬢じゃない
学校がそうなだけであって私自身は全然違う
他の子と比べれば
私もそんな良い生き方してこなかったし』
「……………………」
『私も昔いろいろあって
もう誰とも関わらないって決めてた…
そんな中、私にも目指してみようって
思えることができて…
最初はただの興味本位だったんだけど
実際に経験してみて
もっと目指してみたいって思えるようになって
だけど、物好きな人間もいるみたいで
私にずーとつきまとう人がいて
私と関わろうとしてくる人たちがいる…
そんな人達に私情事で
迷惑をかけるわけにはいかないから
誰の手も借りない
私は1人で目指したいって思ってる……』
全てを語るわけにはいかなかったけど
それでもオオカミは黙って聞いてくれていた
「そうか…
イスズにもいろいろあってんな……
なぁこんな俺やけど
何か協力できることあったらゆうてや?」
『そんな、大それたことじゃないから平気』
「ふっ(笑)
やっぱイスズええ奴やな!!!」
『別に、そんなことない……』
「よし、ほな今から勉強つきおうたるわ!
終わったら飯やからな!飯!」
『誰も良いなんて言ってないんだけど…』
「〜♪」
さっきの表情はどこへいったのか
いつものオオカミに戻り
私の声も耳に入らない様子で
閉館までほんとうに残っていった
ごはんも半分拉致られる形で食べに行かされ
この日もオオカミは私を駅まで送ってくれた
この光景をアイツが見ていたなんて