闘争少女【前編】完
家路の道へと続く途中…
『!』
イスズは誰かにつけられてる気配を感じた
それはシロも同じで
平然とした態度でイスズに喋りかける
「イスズ…お前最近誰かとやったのか」
『は?んなわけないだろ…
あの日から誰とも闘ってないよ…』
「ふ〜ん、じゃ誰かがまた
イスズの名前を売って喧嘩吹っかけてきたか
それとも……噂がたってるかだな…」
『うわ、さ…?』
「アレだけのことしてんだ
イスズの正体がだんだんと周りに
噂されててもおかしくねぇからな…
有力者共の耳にも入ってるかもしんねーな」
『じゃあ…今、私達をつけてるのって』
「あぁ…
その誰かか面白半分で来やがった野郎だな」
『………ぁ、そこ左に曲がっ』
「巻くぞ、走れ!!!」
ちょうど差し掛かったところを
左に曲がろうとしたその直後シロに腕を掴まれ走る
後ろも振り返れないほどのシロの足の速さに
イスズは着いて行くのに精一杯だった
だがそれも束の間
急にスピードが緩まり足を止めた……
『シ、ロ…?』
「……………」
辺りはもうすっかり日が暮れ暗闇が包む
ぽつん、ぽつんと
外灯が一定の距離に道を照らしているだけ
イスズはシロを見上げるが
その表情はあまりよく伺えなかった…