闘争少女【前編】完
『私、さ……っ…』
イスズは過去の自分の話と
今現在の自分のことを全てリノに話した
『だからたまに顔とか
体に怪我とか痣つけてたんだ……』
「…そ、だったんだ」
『偏見な目で見られるのはもう慣れた。
軽蔑も裏切りも嘘も……
こんな私から離れるのも今の内だよ…』
「………………………」
『じゃね…気をつけて』
イスズはそのまま
リノの横を通り過ぎ去っていった
「………………………」
リノは何も返事を返せず
イスズが立ち去った後もしばらく立ち尽くしていた
人は誰かの秘密や裏を知ってしまうと
理解するのに時間がかかってしまう……
それは悲しいのか…
それとも信じられないのか……
そのまま拒絶され去ってしまう事もある
人は簡単に裏切る……
イスズはそれを知っているだからこそ
誰とも関わらず
知ったならば遠ざけさせる……
明日からは1人……
そしてまたテッペンへと駆けのぼる日を過ごす